介護保険は、40歳以上の国民が介護保険料を支払い、これを財源として介護が必要な人達に、介護サービスを受けてもらう制度です。
要介護レベルによって、さまざまな介護サービスを受けることができます。
介護保険制度が始まったのは、2000年のことです。
公費50%と保険料50%が財源になっています。
公費の内訳は国が25%、都道府県と市区町村が12.5%ずつの負担ですが、保険料は40歳以上の国民一人ひとりが支払わなければいけません。
少子高齢化が進む中、高齢者の介護を家族だけで行うことが難しくなってきました。
こうした事情から、介護に対する不安を解消して、社会全体で支えるしくみを作ろうと考え出されたのが介護保険法というわけです。
介護保険制度は、『保険者』になっている市町村などが運営しています。
主な運営内容は、次の通りです。
介護保険の場合、40歳以上の人が加入し、介護保険料を支払うことになっています。
そして、介護サービスにかかった費用の約9割が保険給付として支給されるのは65歳以上では第1号被保険者、45歳以上65歳未満の場合は第2号被保険者となります。
本人(65歳以上の方)の所得及び、世帯の市区町村税の課税状況によって保険料が決められます。
保険料額決定通知書によって保険料が通知されます。
納付方法は、年金から天引きする特別徴収、納付書や口座振替で納める普通徴収があります。
なお、年金所得者の場合、原則として特別徴収となります。
年金の年額が18万円に満たない場合は普通徴収となります。
納付書で毎月納めるか、口座振替の手続きをして、銀行からの引き落としにもできます。
40歳以上65歳未満の方は、加入している保険料(社会保険等)の一部として納めることになります。
40歳になったら、健康保険等と一緒に給料天引きになって納めます。
保険料が未納だと、介護サービスを受ける際に保険でまかなえず、全額負担となってしまいます。
所得が低い人は申請することで保険料が軽減される場合もありますので、窓口でご相談下さい。
また、失業や災害に遭い、保険料の支払いが困難な場合には、支払いの猶予、減免が受けられますので、放置せず、必ず申請するようにしましょう。
第1号被保険者と第2号被保険者とでは、介護保険料を納付し始めるタイミングが異なります。
第1号被保険者が介護保険料を支払うのは、65歳の誕生日の前日に属する月からです。
ですから、例えば……
支払い方法は、上述のように『特別徴収』または『普通徴収』になります。
介護保険料を支払い始めるのは、40歳の誕生日の前日に属する月です。
具体的なタイミングは、第1号被保険者の例を参照してください。
第1号被保険者の場合、所得で保険料の利率が変わり、5段階に分けられています。
第1段階 | 本人が、生活保護受給者等市区町村民税が非課税で、老齢福祉年金受給者 |
---|---|
介護保険率・基準額×0.5 | |
第2段階 | 市区町村民税が非課税世帯 |
介護保険率・基準額×0.75 | |
第3段階 | 本人が市区町村民税非課税等 |
介護保険率・基準額×1 | |
第4段階 | 本人が被保険者所得250万円未満 |
介護保険率・基準額×1.25 | |
第5段階 | 本人の被保険者所得250万円以上 |
介護保険率・基準額×1.5 |
※ 市区町村により、第1号被保険者の介護保険料の基準額が異なります。
多くの場合、介護保険料は天引きや口座振替で徴収されます。
ですが、納付書で支払わなければならないときにうっかり忘れてしまったり、または経済的に苦しく支払いが滞ってしまうケースもあるでしょう。
介護保険料の滞納に対する対応は、地域によって異なる場合がありますが、原則としては納付期限から20日以内に督促状が来てしまいます。
そうすると、地域によって金額は違うものの、督促手数料や延滞金を払わなければならなくなります。
介護保険料を滞納した状態が続いた場合は、厳しい措置がとられるので注意が必要です。
納付期限から1年以上滞納すると、介護サービスの費用を1割負担ではなく、全額自己負担になります。
自己負担分の9割を払い戻してもらうには、滞納分の保険料を完納後に領収書等を提出して、払い戻しの申請をする必要があります。
納付期限から1年半以上滞納すると、保険料の給付が一時差し止めになります。
介護サービスの費用を全額自己負担するほか、本来なら申請後に払い戻される金額も一時的に差し止められます。
納付期限から2年以上滞納すると、自己負担が1割から3割に一定期間引き上げられます。
この一定期間は、高額介護サービス費の払い戻しを受けることができません。
保険料の給付が差し止めされることがあります。
基本的には健康保険料と一緒に給与から天引きされるため、滞納は起こりにくいです。
ただ、健康保険料も滞納している場合、すべての給付またはその一部が差し止めになる場合があるので注意しましょう。