認知症の代表的なものとしてアルツハイマーが挙げられますが、認知症になってしまうと、介護する家族の生活は一変してしまいます。認知症にならないためにも、対策が必要になってきます。85歳以上の4人に1人が認知症と言われていますが、介護の面から考えても、認知症対策はとても重要なものと言えるでしょう。
認知症は治らない。多くの人はそう思っているでしょう。どんな病気でもそうですが、早期発見、早期治療が大変重要になるのです。認知症のような症状が出た場合、似ているだけで違う病気の場合もあります。治る病気や、一時的な症状の場合があると言うことなのです。
認知症でもアルツハイマーの場合、早く気づけば気づくほど薬での治療が早くなり、認知症の進行を遅らせることができます。結果的に、健康的な時間を長くすることができるのです。本人が病気を理解できるうちに、後見人を自分で決めておけますし、介護が必要になった時のトラブルも避けられます。
認知症に気づくきっかけは、物忘れでしょう。なんだか最近物忘れがひどくなった……と、最初に気づくのは本人です。そしてそのことに対し、不安に思うのも本人です。物忘れがひどくなったことを認めたくなくて、病院に行くのを拒む人も多いでしょう。物忘れを受け入れられず、周囲の人が自分を陥れているといった特徴的なことを言い出すこともあるでしょう。でも、その段階で医療機関を受診し、投薬治療を始めると、進行が抑えられるのです。本人だけではなく、家族や周囲の人も健康的で明るい生活を少しでも長く送ることができるのです。
誰もがボケたくないと思っています。まさか自分が……と誰もが考えます。
脳血管性認知症の多くは、脳梗塞が原因で起こります。ですから、脳の血管の中に、血栓ができないようにすることが予防となります。脳梗塞は生活習慣と大きな関わりがあり、三大要因となる、高血圧、糖尿病、高脂血症を防ぎ、管理することで予防につながります。規則正しい生活、バランスのとれた食事、適度な運動習慣が大切です。
アルツハイマー型の認知症は原因が明らかになっていません。精神活動を活発にすることで、神経細胞が壊死していくのを遅らせることは判明していますので、バランスのとれた食事と適度な運動と共に、趣味を持つなど精神活動を活発にし、日々を意欲的に過ごすことが結果的にアルツハイマー病の発病を遅らせてくれます。
認知症患者がいると、家族に大きくのしかかってくるのが介護問題でしょう。認知症の方の言動は、私達にはよく理解できないことが多いのも事実です。でも、誰もが歳を重ねると認知症になる可能性があります。病気のことをよく理解し、向き合っていかなければいけないのです。介護として構えるのではなく、ちょっと手を差し延べてあげる感覚で接すると、気持ちも楽になるかもしれません。