私たちが毎日快適な生活を送るためには、まず環境を整えることが重要です。
日本では様々な技術が進化していく中で、便利で使いやすいものが数多く生み出されています。
ところが、高齢者や障害者、子供など、どんな人でも暮らしやすい環境が整備されているかと言えば、全部が全部そうではないのが現状です。
誰もが暮らしやすい世の中にするべく、常に福祉環境は見直されています。
住まいや街、交通機関、コミュニケーションなど各シーンに合った福祉環境を私たち自らが考えていかなければいけません。
バリアフリーは、直訳すると“障壁を取り除く”という意味になります。
物理的、制度的、文化・情報に関するもの、心理的なものなど、障壁となり得るものを取り除くことがバリアフリーなのです。
既存するバリアを不便と感じる人を対象に、それを解消する方法を考えていくというものになります。
一方、ユニバーサルデザインはバリアフリーとは違い、「最初からバリアを作らないようにする」という考えから生まれた言葉です。缶ジュースのプルタブの部分にある点字やシャンプー容器の横の刻みなどがそれにあたります。能力の差に関係なく、誰もが使いやすいデザインにすることで、差別感をなくすことができます。
障害者差別解消法は、2013年6月に閉会した通常国会で成立した障害者に関する新しい法律案です。正式名称を『障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律』と言い、施行は2016年4月からとなっています。
この障害者差別解消法では、障害があるということだけでサービス提供を拒否したり、制限したりするような差別的取り扱いを禁止しています。
さらに、障害者側から「配慮して」というような要望があった場合は、無理のない範囲で合理的な配慮が求められています。
ただ、行政機関に対して法的義務となっている差別的扱い禁止と社会的障壁の除去ですが、民間事業者で前者は法的義務、後者は努力義務とされている点など、まだ多くの問題点がありそうです。