医療や福祉などの分野に役立てられるアニマルセラピーですが、猿やうさぎといった動物も時に用いられます。
これらの動物をアニマルセラピーに取り入れることには、賛否両論があります。
もちろん猿やうさぎに限ったことではないですが、動物とセラピーを受ける人との相性をよく見なければなりません。
一般的に、猿はアニマルセラピーに不向きだと言われることが多いです。一番の問題は、感染症としつけです。また、知能が高い猿は、わがままで人間の言うことを聞かない個体もいます。
青年期の猿は、凶暴になりやすいので、十分注意しなければなりません。
一方、アニマルセラピーの専門施設などで特別なトレーニングを受けた猿は、『介助猿』または『介護猿』と呼ばれています。主に、身体障害者の介助をするように訓練されています。
介助猿には、フサオマキザルを用いることが多いです。
このフサオマキザルは、猿の中でも特に手先が器用で、高度な認知能力があるとされています。また、障害者本人とのコミュニケーションに必要な社会的認知能力も高いことも特徴と言えるでしょう。
しぐさなどが私たち人間に近い猿は、一生のパートナーとして絆が深めやすく、寿命も長いことから、現在はアメリカをはじめ、フランスとベルギーで介助猿が導入されています。
日本では、感染症やしつけ(トイレ)などの問題があるため、導入されていません。
家でペットとして、うさぎを飼っている人もいるのではないでしょうか。
わりと馴染みがある動物ですし、うさぎを見たり抱いたりして可愛いと感じる人は多いでしょう。
そのため、アニマルセラピーにも取り入れられる場合もあります。
ですが、対象者によっては向き・不向きがあるので、注意しなければなりません。
うさぎを用いたアニマルセラピーで効果を期待できるのは、引きこもりや不登校のお子さんがいる家庭だと考えられています。比較的軽い症状の人に適しています。
また、子供だけではなく、うさぎを飼育することで家族間の関係が改善されたという報告もあります。
基本的に医療機関でのアニマルセラピーには、うさぎは向かないと言われます。
元々うさぎは、人に対してのリアクションに乏しいうえ、知らない人と接することでうさぎがストレスを感じてしまうことがあります。
小さくて触れ合いやすいですが、うさぎ自身の体調に十分配慮が必要です。