皆さんは、アニマルセラピーという言葉を知っていますか。
直訳すると『動物介在療法』という意味です。医療や福祉の現場で注目されているアニマルセラピーの一つに、ドルフィンセラピーが挙げられます。
これには、人とイルカとの相互作用を利用して、心身に良い影響を与えたり、生活の質を向上させたりする目的があります。
イルカは私たち人間と同様、肺呼吸をし、出産・子育てをする哺乳類です。
水族館などで人気者のイルカですが、その生態についてはまだ分からないことが多いため、様々な研究が重ねられています。
イルカはひたいから超音波を出して、仲間とのコミュニケーションを取ると言われています。
この超音波で方向や距離だけでなく、様々なモノの大きさや形、材質なども区別することができ、このような能力のことをエコーローションと呼びます。
そのほか、イルカが発する超音波には、リラックス効果があるという研究結果もあり、緊張をほぐして自己治癒力を高めるとも考えられています。
アニマルセラピーの一つとして行われているドルフィンセラピーは、動物が持つ癒し効果を利用する、薬を使ったり手術を行ったりしない療法です。
イルカは、自分が出す超音波で人間の体内の様子を知ることができるといいます。例えば身体の左右どちらかが麻痺している人が海に入ると、イルカは必ず不自由な側にまわって泳ぐそうです。
また、自閉症やうつ病の人にはそっと寄り添うなど身体だけではなく、精神状態も察知すると言われています。
ドルフィンセラピーには、人を癒してくれるという大きな効果があります。
先に少し述べたように、イルカには健常者と障害者を見分ける力があり、障害者には特に優しい態度をとるなど、いつもとはちょっと違った対応をすると言われています。
見る機会の少ないイルカとの触れ合いは、“大きな癒し”を生みます。
イルカと遊んで、受け入れられたと感じることでポジティブ思考になるなど、精神的にも良い影響を与えます。
ドルフィンセラピーが福祉や医療の分野に用いられるのには、タラソテラビー(海洋療法)の効果も期待されているからです。
これは、海水、海藻、海泥、海洋気候を利用した自然療法で、美容や健康に役立つと大きな注目を集めています。
海という広い空間は開放感がありますし、いつもは味わうことのできない特別な体験をすることで、心身のリハビリにも絶大な成果をもたらしてくれることでしょう。