身体障害者の手足となって、日常生活で行う動作の補助をしてくれるのが、介助犬です。介助犬は、身体障害者が屋内・屋外を問わずに感じる不便さをできる限り解消し、生活しやすいようにサポートしてくれます。全国には、66頭の介助犬がいます。(2014年1月1日現在)
身体障害者が、少しでも快適に日常生活を送るための大切なパートナーが介助犬です。身体障害者と一口にいっても、その身体状態は人によって違います。日常生活での様々な不便を解消するために、身体障害者は介助犬育成施設で特別な訓練を受けた介助犬を連れていることが、法律で認められています。盲導犬同様、2002年10月に施行された『身体障害者補助犬法』に基づき、公共施設や交通機関、飲食店、スーパー、ホテルなど様々な場所へ同伴することができます。
身体障害者の生活をサポートする介助犬ですが、盲導犬に比べて私たちがまだ知らないことも多くあります。一体どんなことをするのでしょうか。自宅にいる時も外出時も、身体障害者にとって介助犬はなくてはならない存在なのです。
主な仕事は、床に落としたものを拾ったり、新聞やペットボトルなど介助犬ユーザー(身体障害者)が指示したものを持ってくることです。さらに、電話をかける手助けをしたり、家族を呼んでくるなど緊急を要する時にもユーザーの助けとなります。
このほか、ドアの開閉や車椅子への移乗補助、服の脱ぎ着補助など、各ユーザーのニーズによって様々な仕事ができます。
屋内での行動はもちろん、外出も楽しみたい……介助犬とパートナーになることで、その願いが叶います。身体に何らかの障害を持つ方には、無償で介助犬が貸与されます。
●身体障害者の方(身体障害者手帳を持っている方)
●原則18歳以上の方(18歳未満の方は要相談)
●身体状態が比較的安定している方
●約4週間の合同訓練を受けることができる方(育成団体により、多少期間が異なります)
●責任を持って、介助犬の適切な管理ができる方
●家族が介助犬の飼育を了承していること
詳しくは、日本介助犬協会、あるいは日本補助犬協会にお問い合わせください。
また、お住まいの自治体の窓口でも相談することができます。
盲導犬に比べ、介助犬は頭数が少ないため、街中で見かける機会もあまりないかもしれません。介助犬は仕事中、ケープ(服)やバッグパックを身に付けています。それらには大きく『介助犬』と書かれているので、すぐに分かります。また、車椅子を引っ張ったりするために、特別なハーネス(胴輪)を着用している場合もあります。
介助犬も盲導犬同様、特別な訓練を受けています。介助犬ユーザーの指示が適切に伝わらない……といったことのないよう、介助犬に出会った時は次のことに注意しましょう。
●声をかけたり、前のほうからじっと見ない
●口笛をふかない
●食べ物を見せたり、与えたりしない
●介助犬を撫でたり、ケープを触ったりしない
●介助犬に自分のペットを近づけない