数あるアニマルセラピーの中でも、ホースセラピーなるものが大きな注目を浴びています。
これは、馬を用いた『動物介在療法』の一つです。医療・福祉だけではなく、教育やスポーツなど幅広い分野でその効果が認められています。
欧米では、古くから乗馬療法としてホースセラピーが行われています。
馬は、とても臆病な動物と言われています。そのため、馬と触れ合う時には、驚かせたりしないよう、細心の注意を払う必要があります。
また、馬は私たち人間同様、動物の中での情緒水準が高いですから、その時々の機嫌などもあります。
接する際には、そういった機嫌などにも気を配らなければなりません。
人間でも色々な性格の人がいるように、馬も個体によって性格が違います。本来は群れで生活する動物なので、きちんと社会性があります。
基本的には穏やかで人懐っこく、従順な性格の持ち主です。
ですが、中には気性の荒い馬や人間嫌いの馬もいます。
また、普段は大人しい馬も、ちょっとした音や光などに驚いて突然暴れ出す場合もあることを覚えておきましょう。
馬の穏やかな性格を利用したホースセラピーが医療・福祉の分野をはじめ、様々な分野で行われています。
馬にと触れ合うことで、癒し効果を得ることができ、心身に何らかの病気・障害を抱える人に良い影響を与えると考えられています。
そのような理由から人気を集めているホースセラピーですが、中には暴れ馬や人間との触れ合いを好まず、セラピーに向かない個体もいます。
ホースセラピーには、こういった馬が適しています。ホースセラピーを体験できる乗馬クラブや牧場などでは、専門のインストラクターがしっかりと馬の調教を行っているので、安心して楽しむことができます。
乗馬をして優しい表情の馬に触れると、とても癒されます。
ホースセラピーを体験した人の多くに、何らかの良い変化が見られるという報告もあります。
実際に、どんな効果が期待できるのでしょうか。
乗馬することで、高さや馬の温もり、振動、リズムが脳を刺激して普段使わない筋肉や神経を自然と使うことになります。そのほか、バランス感覚も養われます。
また、乗馬のリズムは特別な技術が不要です。
馬にまたがっているだけで、足や膝に負担をかけずに運動効果が得られることから、 ダイエットや病気療養のリハビリとしても行われています。
最近では、糖尿病の運動療法にも取り入れられています。
いつもとは違う環境の中で馬に触れたり、自分より大きな動物を操るといった体験を通して、勇気や自信、チャレンジ精神などを身に付けることができます。
馬に乗り目線が高くなることで見える世界も変わり、感動を覚えるでしょう。
穏やかに馬に接することで、思いやりの心も育まれますし、日頃のストレスや孤独感なども解消されていきます。
さらには協調性やコミュニケーション能力の向上も期待できます。