言語障害者も聴覚障害者同様、周囲とのコミュニケーションに不便を感じている人が多いです。言語障害者の場合は特に、相手の言うことは理解できても、自分の言いたいことがうまく伝わらないことが少なくありません。そこで、文字盤やトーキングエイドなどの福祉用具が用いられます。
発声発語が難しいせいで、自分の言いたいことが伝わりにくい言語障害者のための福祉用具にも、様々なものがあります。ここでは、意志の疎通をスムーズにするための福祉用具の中から、いくつかご紹介します。
発音が正しくできない構音障害などを持つ人が、自分の意志を相手に的確に伝えるために使う福祉用具の一つが透明文字盤です。これは、言語障害者がコミュニケーションをとる際に使う福祉用具の中では、一番簡易的なものと言えるかもしれません。
透明文字盤は、その名の通り透明な盤に50音の表が書かれているものです。
指さしや眼球運動によって一文字ずつ追っていきます。
透明文字盤は裏から見ても文字が分かりますし、手作りすることもできるので、とても便利です。
合成音声や録音音声、それから文字などを使って、言語障害者が周囲とコミュニケーションをとるための携帯用装置が、トーキングエイドです。
これは、携帯用会話補助装置とも言われています。
トーキングエイドには、次のような機能があります。
また、トーキングエイドを使う際には、使用者本人がキーボードやスイッチの操作ができるか、また機器の大きさや重さなどを考慮しなければなりません。
手先に不自由のない言語障害者の場合、聴覚障害者同様、磁気パネルにマグネットペンで書いたり消したりできる筆談ボードなども重宝します。
このほか、スムーズに会話できるように手助けしてくれるゲーム機のソフトやiPadに入れて使うアプリもあります。
言葉だけではなく、身体も不自由な人は大勢います。コミュニケーションを図る際に、ベッドの上からパソコンを使えば、家族や友人、知人などとの会話を楽しむことができます。
身体の動かせる部分をほんの少し動かすだけで、センサーが作動して文字入力ができるパソコンや、文字が一定間隔で次々と点灯して、その間にスイッチを押すと文字入力ができる機器などもあります。
後者は、使用者の身体状態に合わせて、手や足、頬、まばたき、息などで文字入力ができるスイッチが付いています。
唇やアゴ、指先など少しでも動かせるところがあれば、パソコン操作が可能なマウスです。操作レバーを動かすことさえできれば、寝たきりでもインターネットやメールなどをすることができます。