病院にはスロープやエレベーター設置のほか、患者さんが便利かつ快適に利用するための様々な工夫が施されています。ここでは、病院におけるバリアフリー設備などに関して紹介します。
病院は、心身の具合が悪い人が診察・治療を受けに行く場所です。そのため、利用しにくさなどで余計なストレスを感じることのないよう、しっかりとバリアフリーに対応していなければなりません。
ここでは、比較的大規模な病院の設備をいくつか見てみましょう。
総合病院などは多くの場合、駐車場から玄関まで、そして玄関ホールにも段差は無く、移動しやすくなっています。
十分な広さもあるため、大きめの車椅子を使っている人も余裕を持って出入りすることができます。
診察室や検査室などのドアの取っ手はレバーハンドル型(開き戸用)、または縦棒型(引き戸用)が多いです。
病院によっては違うタイプのものが取り付けられている場合もありますが、握りやすく楽に開閉できる取っ手が望ましいです。さらに、ドアのサイズもスムーズに出入りができる大きめのものが設置されています。
エレベーター内には車椅子使用者のため、低い位置に操作盤、方向転換する際に便利な鏡を設置している病院も少なくありません。また、エレベーター前には視覚障害者用の点字ブロックを設置している病院もあります。
総合病院では、車椅子使用者も利用しやすいように広い待合室を設けているところが多いです。さらに、受付カウンターは通常の高さのもの以外に、低いカウンターが設置されている場合もあり、車椅子使用者や小柄な人なども使いやすくて助かります。その他、足腰の弱い人も使いやすい肘掛け付きの椅子や弱視の人にも分かりやすい色調のソファーなど、色々な工夫が施されています。
上記のような基本的なバリアフリー設備以外にも、患者さんがよりスムーズに診察や治療を受けられるように、様々なものが取り入れられています。その一部を紹介しましょう。
具合の悪い時に、待合室が混み合っていたりすると長く待たされるのは辛いですね。
近年では、呼び出しがあったことを知らせる携帯用の受信機を患者さんに配る病院が少しずつ増えてきています。これを持っていれば別の部屋で休んでいたり、トイレに行っている時でも呼び出しにすぐ気づくことができるので安心です。
また、耳の不自由な人も重宝します。
離島に住んでいたり、過疎化で近くに病院がない地域に住む人のために、遠隔診療を行っている病院もあります。
まだ数は少ないものの、テレビ電話を使って医師の診察を受けられる遠隔診療は、病院が遠くて受診できない患者さんたちに好評を得ています。
高齢社会が進んでいる中で、この取り組みは徐々に広がりを見せていくことでしょう。