ホテルや公園は、老若男女問わず沢山の人が利用する場所の一つです。ホッと一息つけたり、楽しく過ごせるような快適な空間づくりをしなければなりません。ここでは、ホテルや公園におけるバリアフリー設備などに関して紹介します。
近年、大型のホテルなどは『ユニバーサルルーム』と呼ばれる客室があるところが増えてきています。このユニバーサルルームとは、障害者や高齢者など、宿泊する人のニーズに合わせて様々な工夫が施された部屋のことです。
車椅子でも移動しやすいよう、一般的な客室よりも広く造られています。
ユニバーサルルームには、トーキングサインという装置が備えられている場合もあります。
これは、赤外線音声情報案内システムと言って、客室内やホテル館内の備品などに専用の端末を向けると、様々な案内を音声情報として聞くことができます。
また、トーキングサインは複数の言語に対応しているため、視覚障害者だけではなく、日本語での表示などを理解することが難しい外国人などにとっても便利なシステムと言えるでしょう。
ユニバーサルルームには、聴覚障害者向けの便利な設備も備えられています。ドアや浴室、ベッドサイドなどに、目覚ましや来客、電話・ファックス、緊急事態などを知らせるための様々なアイテムが設置されています。
自動センサーでランプが点灯するなどして、知らせてくれます。ベッドサイドには、フロントと連絡を取ることのできる筆談器が置かれていることも多いです。
ユニバーサルルームは、バリアフリー設計になっています。
トイレや浴室には、手すりなどが設置されていますし、リクライニング式の電動ベッドや立ち上がり補助機能付きの椅子なども備え付け、もしくは入れてもらうことができます。
さらに、客室のドアが引き戸になっていたり、低い位置にコート掛けがあるなど、使いやすい工夫がなされています。
※この他、補助犬利用者には、犬用のマットやボールなどの貸し出しを行っているホテルもあります。
※ここで紹介する設備が全てではないこと、これらの設備が整っていないホテルもあることを覚えておいて下さい。
公園は、皆の憩いの場でなければいけません。
自然の風景を活かすため、バリアフリー設計になっていない公園が多いのも現状です。そんな中でも、誰もが楽しむことができる公園づくりも少しずつですが、進められています。
園内に植えられている植物などに直接触れることができたり、子供や車椅子使用者なども手が届く高さの『水の広場』がある公園もあります。
手に触れる、匂いを嗅ぐ、音を聞くなど、五感を使って楽しめる工夫が施されている公園なら、自然を生かしながらも皆が楽しい時を過ごせるでしょう。
スロープのついた遊具であれば、車椅子やベビーカーに乗った子供も、他の子供たちと一緒に遊ぶことができます。
また、遊具の大きさや長さ、ロープの位置などちょっとした部分を変えることで、今まで使えなかったものが使えるようになる……そんな人も増えるでしょう。そうすることで遊び方の選択肢も多くなり、公園がより楽しい場所になるはずです。
スロープや多目的トイレなど、基本的な設備が整っている公園も増えてきています。
また子供や車椅子使用者が使いやすい低い水飲み場、高齢者にも負担の少ない肘掛け付きベンチなどを設置しているなど、様々な人が気軽に利用できる公園が多くなっています。このような取り組みは大規模な公園でよく見られますが、小規模公園でもバリアフリー設備やユニバーサルデザインが少しでも多く導入されたら嬉しいですね。