多くの人が本に親しめるように、公共の図書館では様々なサービスを行っています。視覚障害者だけではなく、高齢者や外国の人などに対しても配慮が必要です。ここでは、図書館で行われているサービスに関して紹介します。
公共の図書館には、点字図書をはじめ、録音図書や大活字図書など視覚障害者や高齢者などにも読みやすい書籍が揃っています。また、図書館によっては、対面朗読のサービスを行っているところもあります。
【視覚障害者への支援】のページでも軽く触れていますが、図書館には視覚障害者向けに点字図書を置いています。一般の書籍に比べて数は少ないものの、新聞や本などが点字に訳されています。
この点字図書を利用することで、自分の力で読書を楽しむことができます。また、視覚障害者にとって、録音図書も便利です。録音図書とは、本や雑誌の内容を読み上げてカセットテープやCDに録音したものをいいます。
文字通り、大きな文字で書かれている大活字図書を置いている図書館も増えてきました。
この大活字図書は、弱視の人や高齢者などが読みやすいのが特徴です。点字図書や録音図書同様、数や種類はまだ少ないですが、徐々に多くなってきています。
視覚障害者向けに、マンツーマンでその人が読みたい本を朗読する対面朗読サービスを行っている図書館も少なくありません。
館内にある本や雑誌、新聞以外にも、持参した資料やパンフレット、チラシなども読んでもらうことができます。
点字図書や録音図書などとは違い、対面朗読は人の温もりを感じられると好評を得ています。対面朗読のサービスを受けるには、事前の申し込みが必要です。
多くの図書館では、子供向けのサービスも行っています。子供たちのために、触って楽しむ布の絵本や海外の絵本を揃えたり、手話を使った読み聞かせの会などを開いたりしています。
イラストが布などで立体的に作られている絵本なども、子供たちの人気を集めています。
文字が大きく書かれていたり、点訳がついていたりする絵本もあり、視覚障害児も楽しむことができます。
また、海外の絵本は、日本人だけではなく、日本在住の外国の子供たちなどにも貸し出されます。
定期的に、『読み聞かせの会』を開いている図書館は多いです。図書館職員やボランティアスタッフが、子供たちをお話の世界へ誘います。中には、聴覚障害児のため、手話による読み聞かせを行っている図書館もあります。
子供向けの外国語の絵本だけではなく、日本語を理解することが難しい大人の外国の方向けの書籍も色々と用意されています。図書館によって本の数や種類はもちろん、対応言語も様々です。
外国語図書の数や種類などの違いは、その地域に住む外国の方の人数などにも左右されるでしょう。
図書館に行くことが難しい高齢者の自宅や知的障害者施設、また近くに図書館がない地域に住む人などのところに出向き、本を貸し出すサービスも行われています。
この出張貸し出しは、自分からはなかなか図書館へ行くことができない人たちにとって、とても助かるサービスと言えるでしょう。
特に、施設や小学校の特別支援学級などを訪問する際には、本の貸し出しのほか、読み聞かせや紙芝居をしたり、時には童謡などを歌ったりもします。