街全体を誰もがより利用しやすいものにしようという目的から、2006年に『バリアフリー新法』が施行されました。以来、道路や建物だけではなく、電車やバスといった交通機関も、ますます快適に利用できるようになってきました。
電車(路面電車)やバスの主なバリアフリー設備を見てみましょう。
地域、または電車・バスの規模などによって、バリアフリー設備の内容が異なります。
車椅子用 スペース |
車椅子用スペースには、座席が無く、広いスペースが確保されています。電車によっては床の部分に車椅子を固定する器具が付いていることも。車椅子だけでなく、ベビーカーを置くことも可能です。 また、車椅子用スペースには押しボタンや手すりなどが低い位置にあります。 |
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簡易 スロープ |
一般的な路面電車の客室床面と地面との段差を解消するために、スロープが設置されます。 電車によってはスロープが備え付けられていて、自動的に出るタイプもありますが、多くは運転手さんが用意してくれます。 |
手すり | 車内の所々に手すりが設置されている電車が増えています。立っている時につかまるだけではなく、足腰の弱い高齢者などが立ち上がったり、座ったりする際にも重宝します。 |
低い位置の 吊り革 |
低い位置(長め)に設けられた吊り革は、背の低い人や子供なども使いやすいです。 |
優先席 | 私たちにも馴染み深い電車内のバリアフリー設備と言えば、優先席です。 高齢者や怪我をした人、赤ちゃん連れの人、妊婦さんなどが優先で座ることができます。 |
普段何気なく利用している電車ですが、ドアや座席など様々な部分に、色々な立場の人が使いやすい工夫が施されています。
一般の電車を完璧なバリアフリー仕様にするには、限界があります。
そのため、電車やバスなどの交通機関でも『最初から誰もが利用しやすく』という考えのもと、ユニバーサルデザインが導入されるようになりました。
その一つが超低床式路面電車で、導入する地域も徐々に多くなっています。
一般的な電車の大きな問題点として、乗降口に段差や階段があるため、高齢者や障害者などは乗り込むのが大変です。
一方で超低床式路面電車の場合、客室床面が低く、地面との高低差が少ないので、車椅子利用者なども楽に乗り込むことができます。このように、電車に乗るための一つ目のバリアが解消されるというわけです。
バスも電車同様、バリアフリー化が進んできています。身近な乗り物のバスにも、誰もが利用しやすいように様々な工夫が施されています。
乗降口の段差が無い、または低くなっているバスのことをノンステップバスと言います。
このノンステップバスも以前から比べると、よく見かけるようになりました。
高い段差が無いので、高齢者や足を怪我している人なども、楽に乗り降りが可能です。また、乗降口の幅も広く、大きな荷物を持った人や杖をついている人、子供連れの人なども安全に使用できるようになっています。