高齢者 の見守りボランティアは、高齢の方の家に定期的にお伺いするというものです。
地域の民生委員になったことで、70歳以上のお一人暮らしの方やご夫婦とも75歳以上という方たちの家に定期的にお伺いする見守りボランティアをしていました。
そんな私の体験談を紹介します。
高齢者 の見守りボランティアとして緊張しながら初めて自宅訪問をしたとき、インターホン越しの私の言葉が聞き取りにくかった方がいました。
私は何度も自分のことを名乗っていたのですが、「は?」と聞き返され不信感を抱かれたり、「何か御用ですか」と聞かれると返事に困ってしまいました。
それ以来、ゆっくりとはっきり、できるだけ明るく聞き取りやすく話すように心がけました。
すると、何ヶ月か経つ頃には自宅に招き入れていただいたり、インターホン越しでも「はい、元気です!いつもありがとう」と言ってもらえることも多くなりました。
自宅訪問する側もされる側も、慣れるためにはある程度の時間が必要です。
お互いが顔見知りでないのなら、尚更かもしれません。
私の担当地域で一人暮らしをしている方は、近所に子供さんがおられて家によく来てくれたり、買い物や病院へも車で連れていってもらえるというケースが多く見受けられました。
90歳近い高齢者でも、長年一人暮らしをしている方はお元気です。
なんでも自分でしないといけないということもありますし、自由に好きなこともできるため、生き生きと暮らしておられます。
その方は「娘がおいでって言ってくれるけど、なんでもしてもらうようになったらぼけてきそう」と言っておられました。
また、別の方で85歳くらいの女性も、近くに息子さん夫婦がいるとはいえ、普段は寝たきりのご主人と二人で暮らしておられます。
ご自身も週に3回透析に通うなどして大変ですが、洗濯も毎日きちんとされ、庭の草取りも休み休みやっておられました。
そこで、私が「地域の助け合いのボランティアに頼めば草取りをしてもらえること」や「買い物に行くための地域のバスがある」ことなどを伝えると、早速利用の申し込みをされました。
特に持病などを持っていなくて元気にしている方でも、年齢とともに足腰は少しずつでも弱ってくるでしょうし、持病がありながらも病院通いをしつつ暮らしている人も日常生活で感じる不安なども色々あるでしょう。
一見すると元気に暮らしている人も、実は話を聞いてみたらこんなことに困っていた……
そんなこともあります。
人は、自分の弱みを隠したがる生き物……そう思いませんか?
そこで、大事なのが『見守り』なのです。
高齢者の見守りボランティアでのそんな体験から、「大変なことは無理せずに依頼できるところがあれば少しお金は掛かっても利用すること」も大切だと感じたものです。
とはいえ、中には身の回りのことはできるだけ自分でやり、周囲には迷惑をかけたくないと考える方も少なくありません。
そんな場合も、ご本人の気持ちを尊重しながらも無理のないように、周囲に少しずつサポートを求めるようアドバイスする……
そこが、高齢者の見守りボランティアの腕の見せどころとも言えるでしょう。
ただ、いくら地域でいろいろな福祉サービスがあったとしても、高齢者の方の多くはそれらの情報を文書などであまり目にする機会は少ないかもしれません。
ですから、誰かが情報を伝えないといけないと感じました。
そういった情報伝達をすることも、高齢者の見守りボランティアができることの一つではないでしょうか。
それからもう一つ、見守りの大切さを実感した出来事があります。
私の担当地域に住んでおられる90歳近い男性は、運動をされているのでお元気です。
まだ車の運転もしているのですが、子供さんなどご家族がいないので定期的な見守りが必要でした。
一度訪問した際に車があるのに出て来られないし、電話にも出られないことがありました。
心配になって何度も訪問していたら、何度目かの時に元気でいることがわかりホットました。
その方のように他に誰も訪ねて来る家族などがおられない場合は、見守りボランティアの存在はもちろん、特に地域や近所の方とのかかわりはとても大切だと感じました。
見守りボランティアの良さは、実際に相手の顔を見て、その方の無事を確認できることです。
高齢者の見守りボランティアとして活動するためには、地域の社会福祉協議会などが実施しているボランティア養成講座を受講しなければいけません。
そして、講座を修了し、ボランティアとして登録後に活動開始となります。
関心は持っているけれど、日常生活に追われて活動する時間がないと考える人もいるでしょう。
ですが、ボランティアメンバーでなくても、見守り活動をすることはできます。
なども見守りのポイントになります。
自宅訪問しなくても、近所に住んでいるだけで気づけることもあります。
地域の民生委員になり、見守りボランティアとして高齢者のお宅を回りました。
以来、私自身も地域とのつながりを大切に暮らしています。