2017年8月1日に年金の受給資格期間に関する新しい法律が施行されます。
受給資格期間とは、保険料を納めた期間と支払い免除期間、保険料を納めていなかった『カラ期間』という任意加入期間をあわせたものです。
受給資格期間を満たさないことから、年金を受給できない人が多くいます。
その人たちに対する救済策として、受給資格期間の短縮が決まりました。
対象になるのは、老齢基礎年金、寡婦年金、老齢厚生年金、退職共済年金。
これにより、今までは原則として通算で25年以上の加入期間が必要でしたが、10年以上に短縮されます。
実際に年金を受給できるのは、2017年10月からになります。
新たに年金を受給できるのは、加入期間が10年以上25年未満の人です。
対象者には日本年金機構から年金請求書が郵送されますので、郵送の時期等については日本年金機構のホームページで確認しましょう。
受給資格期間の短縮は、法改正後の保険料の支払期間や支払い免除期間などの合計に適用されるもので、過去にさかのぼって受給することはできません。
また、年金額は保険料の納付期間に応じて増えていきます。
寡婦とは、夫と死別、または離婚して、再婚していない女性のことを言います。寡婦年金は、夫が対象となる期間に国民年金の保険料を納付して亡くなった場合、受けられる年金制度です。
寡婦年金は、夫が10年以上、国民年金の第1号被保険者として保険料の納付があって亡くなった場合、婚姻関係が10年以上継続してあり、生計を維持されていた妻が受けられる年金です。妻は60~65歳まで、寡婦年金を受けることができます。
サラリーマンになり、厚生年金に加入したり、公務員などの第2号被保険者、その配偶者の第3号被保険者の期間、学生納付特例制度、若年者猶予制度の期間は加入期間としてカウントされません。
寡婦年金は、亡くなった夫が老齢基礎年金を受けたことがある場合、障害基礎年金の受給者だった場合は受けることができません。また、妻が再婚をすると受け取る権利がなくなります。
老齢基礎年金の繰上げ受給も、請求するだけで寡婦年金が受け取ることができなくなりますので注意が必要です。
気になる寡婦年金の受給額ですが、夫の老齢基礎年金額の3/4になります。夫の第1号被保険者として保険料を納めた期間と免除期間で計算した額になります。なお、受給できる期間は60~64歳までになります。
寡婦年金の受給額は以下の計算式で算出します。
788,9010円 × 保険料を納めた月数/480月 × 4/3
なお、以下の期間は保険料を納めた期間として加えることができます。
1/4 免除の月数 × 7/8 | 半額免除の月数 × 3/4 |
3/4 免除の月数 × 5/8 | 半額免除の月数 × 1/2 |
寡婦年金を請求する場合に必要な書類は以下の通りです。
年金手帳 | 提出不可能な場合はその理由 |
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戸籍謄本 (記載事項証明書) |
亡くなった方との続柄、請求者の氏名、生年月日の確認 受給権が発生してから提出日から6ヶ月以内に交付のもの |
世帯全員の 住民票の写し |
亡くなった方との生計維持関係、住民票コードの確認 |
亡くなった方の 住民票の除票 |
世帯全員の住民票の写しに記載がある場合は不要 |
請求者の収入が 確認できるもの |
生計維持認定のため 所得証明、課税証明書、源泉徴収票等 |
本人名義の受け取り先 金融機関の通帳 |
氏名、金融機関、視点番号、口座番号を含む通帳、キャッシュカード等(写しも可) |
年金証書 | 公的年金から年金を受けている場合 |
認印 | 公的年金から年金を受けている場合 |
第三者行為自己状況届 | 所定の様式 |
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交通事故証明または 事故が確認できるもの |
事故証明がない場合、新聞の写しなど、事故内容が分かるもの |
確認書 | 所定の様式 |
被害者に扶養家族がいる 場合は扶養事実がわかる書類 |
源泉徴収票、健康保険の写し、学生証の写し等 |
損害賠償の算定書 | 決定済みの場合。示談書などの受領額の分かるもの |