厚生年金に加入中に亡くなると、遺族厚生年金と遺族基礎年金を受け取ることができます。ただし、要件に合うことが条件となります。
遺族厚生年金は、亡くなった日に加入していた制度から保証されるもので、亡くなった日の時点で厚生年金に加入し、尚且つ未納がない場合に、遺族厚生年金を受けることができます。子供がいる場合、全員の子供が高校を卒業するまで遺族基礎年金も上乗せされます。
亡くなった方が老齢厚生年金を受給していたり、受給する資格を満たしていた場合でも、遺族厚生年金が支給されます。このことから、25年の加入要件に当てはまる人は、亡くなった時に厚生年金に加入していなくても、遺族厚生年金がもらえます。障害厚生年金の1~2級をかけていた人が亡くなったときにも受給することが出来ます。
遺族厚生年金を受給できないケースがあります。遺族基礎年金と同様に、保険料の納付についての条件があります。保険料の未納期間が長いと受給することはできません。
なお、老齢厚生年金、障害厚生年金を受給している方が亡くなった場合、保険料納付要件はありません。
遺族厚生年金を受給できる範囲は、遺族基礎年金と違い、範囲が広くなります。亡くなった人が生計を維持していた家庭の配偶者・子、父母、孫、祖父母が受け取ることができますが、年齢制限があるので注意が必要です。
亡くなったときに55歳以上の夫や父母に権利が発生し、60歳から受け取ることができます。子供や孫は、高校を卒業すると受給権利がなくなります。子供や孫を除き、遺族厚生年金は生涯受け取ることができます。
子供のいない夫婦の夫が亡くなった場合、子供のいる妻と比べると、保障が少なくなります。夫が30歳未満で亡くなり、子供のいない妻には、5年間しか遺族厚生年金が支給されません。
遺族基礎年金や遺族厚生年金を受給していて、30歳になる前に受給権利を失った妻は、それから5年間しか遺族厚生年金を受給することは出来ません。
遺族厚生年金は、再婚をすると受給することができなくなります。再婚には入籍をしていない事実婚も含みます。妻が再婚をして受給資格がなくなったからと言って、次の順位の人が繰り上がって受給できるものでもありません。
遺族厚生年金は、加入後すぐに亡くなっても、25年加入していたとみなされます。更には、加入期間が長かったり、給料やボーナスが多ければ多いほど、受給できる年金額も高くなります。
老齢厚生年金を受給中の人や受給要件を満たしている人が亡くなった場合は長期要件と呼び、それ以外の場合は短期要件と呼びます。
長期要件の場合、老齢厚生年金の受給額で遺族厚生年金額が計算されます。一方、短期要件では実際に厚生年金に加入していた期間から計算されます。