病気や事故、または加齢などによって身体が不自由になってしまった場合、福祉用具の導入を検討してみると良いでしょう。本人だけでなく、家族など周囲の人の身体的・精神的な負担を減らすためにも、福祉用具を有効活用したいものです。
福祉用具を利用する時には、福祉用具自体の基本的な機能・性能、コストなどを十分に考慮して選ばなければなりません。さらに、本人の身体状況や家族の介護力、福祉用具をどのような生活環境下で使うのかをしっかりと把握する必要があります。また、本人や介護する人が使いやすい福祉用具を選ぶ際には、福祉用具専門相談員などの専門職の人からアドバイスなども大いに役立つはずです。
ここで、福祉用具選びで気をつけたい5つのポイントを見てみましょう。是非参考にしてください。
福祉用具の構造や機能、素材の違いに加え、自立した生活を送るためのものか、それとも家族などが介護しやすくするためのものか、目的をはっきりさせることが大切です。
福祉用具を必要とする本人の身体状況は、個々でスピードの差こそあるものの、変化していきます。中でも進行性の疾患を抱えている人は、病状が刻々と変わっていくため、その都度ふさわしい福祉用具を選び直す必要があります。いつ、どんな福祉用具を導入すれば良いのか、そのタイミングをしっかり見極めなければいけません。
3つ目のポイントは、1つ目のポイントと似ていますが、こちらはもう少し具体例を考えましょう。出かける時、趣味の活動をする時、あるいは仕事の時など、どんなシーンで使うのか、目的をはっきりさせることで、福祉用具をより効果的に活用できます。
安全に使うために専門職の人の指導の下、福祉用具の正しい使い方を習得するのはもちろんですが、あまり用具に頼り過ぎると、身体機能の低下を招いてしまうことがあります。自分で出来ることはなるべく福祉用具の力を借りずにやるようにしましょう。自力で出来る部分と、用具に頼る部分をある程度分けたほうが良いかもしれません。
何らかの理由で身体が不自由になってしまった人と、その人を支える周囲が少しでも快適に暮らすための方法の一つが福祉用具の導入です。住環境整備の一環と捉えましょう。福祉用具を使うだけで、生活上の不便さをすべて解消することはできないので、家具の配置や介護の役割分担なども考慮することが重要です。