社交ダンスは若い人から中高年の人まで、幅広い年齢層に人気があります。
私の母が始めた社交ダンスのことについて、お話しします。
元々母はそれほど社交的ではなく、外で誰かとコミュニケーションをとるということはありませんでした。
それだけに父が亡くなってからは、話し相手もいなくなったのでこのままでは認知症になってしまうのではないかと心配していたところ、実際にそれらしい兆候が見受けられるようになったのです。
これは大変!と不安に思い、病院で診てもらうと、認知症ではないということで一安心。
しかし、老化の進行が早まっているような感じがありました。
おそらく何もしていないから、物忘れなどが酷くなっているのではと思い、とにかく何か刺激を与える必要があると考えたのです。
母自身も認知症になるのは嫌だと、認知症予防となる何かを探していました。
何がいいかなと考えていたところ、町内会で社交ダンスが開催されているという案内を見つけ、参加することを勧めました。
さすがに社交ダンスは恥ずかしくて嫌だと拒否していた母ですが、体を動かしながら誰かと交流をするのに社交ダンスほどいいものはないと思った私は、乗り気でない母を無理やり参加させることにしたのです。
初心者でも大歓迎ということで、その言葉に偽りはなく全くの初心者の母でも快く受け入れてくれました。
そのため、最初はあまり乗り気ではなかった母も、少しずつ輪に加わることができるようになって、久しぶりに周囲の人との交流を楽しんでくれたようでした。
その後、自発的に社交ダンスに参加をするようになってからというもの、以前の母とは思えないほど活動的になり更に頭もしっかりとしてきて驚いてしまったほどです。
やはり人と交流をするというのはいい刺激になりますから、直接人と触れ合う社交ダンスは認知症予防に効果があるのだなということを実感することができました。
逆に今ではうるさいほどに活動的になってくれましたから、ようやく安心できるようになりました。
更に最近では彼氏ができたようで、それもより一層活発になった理由のひとつのようです。
ここまで母が変わるとは思っていなかったので、思い切って社交ダンスに参加をさせたのは正解でした。
体を動かしながら周囲の人とのコミュニケーションも図れる社交ダンスで脳が活性化され、認知症予防に効果的と考えられていますが、そもそもダンス自体が脳に良い影響を与えます。
認知症発症リスクが高いメタボ傾向の60歳以上の人を対象にした研究では、
などの効果が見られました。
認知機能の改善だけなら、別のスポーツなどでも効果が見られますが、それに加えて他の効果も現れるのは、社交ダンスならではと言えるかもしれません。
また、振り付けのないフリースタイルのダンスの場合は、より脳が活性化するとされています。
自分で振り付けを考えながら、体を動かさなければいけないため、定期的に複雑な信号が脳に送られ、活発化するのです。
認知症予防で重要なことは、脳の活性化。
社交ダンスも、脳の活性化にとても役立ちます。
振り付けも自分で考えると、なお良いでしょう。
このように、社交ダンスは認知症予防に効果が期待されています。
心身ともにリフレッシュできる社交ダンスは、お勧めですよ。
足腰をよく使うので、心肺機能を高めることができます。
脚の血管の収縮機能が活発になり、結果として全身の血液循環が良くなり、心肺機能が高まるというわけです。
さらに、脳も常に活性化させることが大切です。
若い人でも高齢者でも人と接していないと脳もどんどん退化していってしまいますから、特に日頃からあまり交流のない人は積極的に社交ダンス仲間のコミュニケーションの場に参加するようにしましょう。
認知症予防の効果を実感するためには、長く続けることが必要です。
社交ダンスを習ったら、ダンスパーティーなどで披露する機会があればいいですね。
一生懸命に練習したダンスを多くの人に見てもらいましょう。
そうすることが、モチベーションの維持にもつながるはずです。
健康のため、仲間とのコミュニケーションを楽しむ……
認知症予防につながるのは、これだけではありません。
社交ダンスは、男女ペアで踊ります。
女性は男性と一緒に踊るということで、メイクや服装に力が入る人もいるでしょう。
そして、ペアになった人と友達になったり、中には友達以上の関係に発展するケースもあるのではないでしょうか。
そのことが女子力アップに役立つかもしれませんね。
母の変貌ぶりに驚き半分、嬉しさ半分。
母の様子を見て、私自身も社交ダンスの効果を感じました。