わたしがしているボランティア活動について、お話ししたいとおもいます。
主人の転勤で、現在の居住地へ引っ越して5年になります。新しい土地に慣れるには少々時間がかかるものですが、少しずつ地域の雰囲気にも慣れてきて見えてきたのは、ここはひとり親家庭や独居高齢者の家が多いことです。働くお母さんたちが時間がなくて、ちゃんと世話をしてもらえない子供たちや、体が不自由で買い物に行くのが難しいおばあちゃんなどと出会い、何か自分にお手伝いが出来ることはないかと思うようになりました。
そんな時、ボランティアに熱心な友人を通して、地域の社会福祉協議会という機関が家の近くにある事を知り、そこでのボランティア活動の募集に早速申請をしたわけです。始めてから1年ほどになります。
ここでの活動は様々な種類があります。老人ホームでの話し相手やリクレーション指導、障害者の運動会のお手伝いとか色々ですが、わたしは個人宅のお掃除や洗濯、庭の草取りなど、2~3名で出来る作業を選んでいます。自分の都合や時間に合わせて出来るので、気軽に楽しくやっています。始めたころは、知らない人の家の中に入り込むことにちょっと違和感がありましたが、やり終えた後の爽快感と家人に喜ばれ、感謝されることが一番の励みになっています。
社会福祉協議会からボランティア要請があった時点で、「台所とお風呂場のお掃除お願いします」というように場所を指定されることが多いですが、早めに終わった時など他の部屋の汚れなど、気になるところについ手を出したくなります。でも、普段ヘルパーさんなどが入っているお宅が多いので、その兼ね合いも考えなくてはなりません。言われたところ以外に手を出すのは、たとえ善意であっても控えた方が良いのかなと感じています。
この他、近所の一人暮らし高齢者の方のために、時々重いものだけ買い物を代行しています。 人は年齢を重ねると、今まで難なく出来ていたことが一つずつ出来なくなる現実と向き合わねばならなくなってきます。それをあきらめるのでなく、老いをそのまま受け入れるという生き方がどうしたら出来るんだろう……とずっと思っていました。その現実の真っただ中にいる人とかかわり、明るく生きているおばあちゃんたちの中に答えが見つかりそうだなと感じたりもしています。
物理的な助けももちろん大事ですが、お話を聞いてあげる時間と心を持つのも本当に必要だと感じています。高齢者は自分の話を聞いてくれる人を切望しています。そして同じ話を何度もします。つい、前に何度も聞いたし~と思ってしまうのですが、それをいつでも親身になって聞いてあげる忍耐と愛情がもっと欲しいなとつくづく感じているこの頃です。
ボランティア1,2年の60代主婦です。
助けているつもりが、気が付けば知り合いが増えたり、生活に張りが出たりと、自分が一番得をしてま~す。