介護福祉士 として仕事をしている間に、経験した失敗談はいくつかあります。
その中でも、一番酷いことをしてしまったなと思う失敗談を紹介します。
介護福祉士 として夜勤をしている時、私は施設の真ん中にある介護士ステーションのような所で夕食をとっていました。
介護を受けている利用者さんたちが寝静まった時だったので、気を抜いていました。
利用者さんたちは個室で寝るのですが、部屋のドアは全開になっています。
声掛けなどをされた時にすぐで駆けつけることができるようにするためです。
けれど、中には死角になっていて利用者さんの声がこちらまで聞こえにくい部屋もあります。
普段利用者さんがトイレなどに行きたい時には声をかけてもらうか、ナースコールのようなものを鳴らすようにしてもらっています。
ある夜勤の日、待機場所にいた私のもとに、突然大きな音が聞こえてきました。
びっくりして、すぐさま音が聞こえたほうに駆けつけると、一人の利用者さんが床に倒れているではありませんか!?
自分でトイレに行こうとして立ち上がり、ベッドから降りた時に転倒したのです。
頭などを打っていないか、どこをぶつけたかなどを聞くと、頭は幸い打たなかったようで少し安心しました。
けれど、足がとても痛いということで、常駐の看護師さんに診てもらったところ、骨折していることがわかりました。
足の骨折だけでなく、トイレに行く時に転んだということで、間に合わずに漏らしてしまったことにも、利用者さんはショックを受けていたようでした。
部屋が死角になっていたとはいえ、事故を未然に防ぐことが出来なかった自分に対して苛立ちと後悔でいっぱいでした。
これが、経験した失敗の中でも介護福祉士として一番後悔している失敗談です。
その後、トイレのたびにスタッフを呼ぶのが嫌だという人もいますし、自分で行きたいという気持ちがある人もいるということを知り、施設内で話し合った結果、就寝前ベッドに柵を取り付けることになりました。
利用者さんが自分でトイレに行く際の事故を防ぐためです。
個室の部屋にはトイレがあるので、つかまりながら歩いて行けるようにトイレまでの間に椅子を三つずつ置くようにしました。
例えば左手でベッドの柵につかまり立ち上がり、右手で次の椅子の背もたれの部分につかまり、今度は左手で次の椅子をつかんで進むという具合に……。
また、ベッドからトイレまでの間の床には、滑りにくいように滑り止めを敷くようにしました。
滑り止めは厚手のものを選び、もし滑ってしまっても頭を強く打ってしまわないような工夫もしています。
これらの対策を講じて以来、利用者さんが転倒してしまったことはありません。
介護福祉士の私が経験した失敗談を紹介しましたが、この出来事が利用者さんにとっての安全性を考える大事な機会になったと思います。
私は、介護福祉士として施設勤めをしています。
仕事中の数々の失敗からも、学ぶことは沢山あります。