児童養護施設 を初めて訪問したのは、高校生の時でした。
その時、看護学校に通っていた私は、学校に来ていた案内に応募して慰問ボランティアという形で児童養護施設に行く事になりました。
児童養護施設 がどんな場所なのか、よく知らなかった私。
元々子供に関わる仕事をしたいと思っていたので、小児科で働きたいと思っていました。
ですが、それ以外にも養護施設で働く事もできるという話を聞いていたため、どんなところか気になっていたというのがきっかけです。
私が参加した児童養護施設への慰問は、通常のボランティアのような形で出し物をしたり子どもたちと遊ぶためのものだったのですが、訪問して最初に感じたのはそこで生活している子どもたちはどこにでもいるような普通の子供たちと変わらないということでした。
挨拶をすれば普通に挨拶を返してくれますし、笑顔で駆け寄ってくる子どもたちもいたので本当に児童養護施設で生活をしなければいけない子どもたちなのかと疑問を感じるほど……。
慰問してすぐに受けた説明で、児童養護施設が体の不自由な子どもや知的障害を持っている子どもや親がいない子どもが生活しているのではなく、何らかの理由で親と一緒に生活することが出来ないだけなのだと知りました。
入所している子どもたちの年齢は、2歳~18歳までとなっていて、中には1歳から受け入れているところもあります。
なぜ児童養護施設で生活しなければいけないのか……
そう自分が感じた疑問はある意味、間違っていなかったようです。
それと同時に、よく知らないままに児童養護施設を慰問しているということを申し訳なく思いました。
この時点で、改めて施設の事やそこで生活している子どもたちの事を知ることが出来てよかったです。
児童養護施設に慰問した際に、出し物として劇を行いました。
観劇の最中も子ども達は騒いだりすることなく、笑い声などは起こったものの、おおむね静かにしてくれていました。
普通の幼稚園や保育園では、結構騒ぐなどして大人しくできない子達も多いのですが、本来躾をしてくれるはずの親と離れている児童養護施設の子どもたちの方が行儀がいいなと感じました。
劇の後にそれぞれ慰問に来ていたボランティアの人たちと一緒に私も子どもたちと遊ぶ時間がありました。
その時はややテンションが高くなっていたので騒がしい子達もいたものの、暴力を振るったり暴れまわるような子達はいませんでした。
特に印象的だったのが7歳くらいの小さな女の子で、養護施設を訪れてからずっと私の側にいてくれました。
ニコニコと笑う姿は可愛らしかったですし、「お姉ちゃん」と呼んで後ろをついてきてくれる姿は本当に妹を持ったような気分になり嬉しかったです。
別れる時も、みんな笑顔で手を振ってくれていました。
親が側にいなくてもこんなに元気に育つんだなと色々と不思議な気持ちになり、児童養護施設への慰問は本当に貴重な体験でした。
児童養護施設では、できるだけ一般家庭とあまり変わらない落ち着いた雰囲気の中で子どもたちが暮らせるようにしています。
一口に児童養護施設と言っても、様々な形態があります。
多く見受けられるものとしては、子どもたち全員が一つの建物内で暮らすスタイル。
近年では、一つの建物内でいくつかの少人数グループに分かれて暮らすスタイルや、建物構造そのものが少人数グループ化している施設で暮らすスタイルなども少しずつ増えています。
様々な事情で子どもたちと一緒に暮らすことができない親たちに代わって、子どもたちの養育をしていくのが児童指導員や保育士などの資格を持つスタッフです。
ほかにも、家庭支援専門員、被虐待児個別対応職員、調理員、事務職員などが児童養護施設のスタッフとして働いています。
施設によっては、栄養士や心理療法士、職業指導員などがいる場合もあります。
また、施設スタッフによるサポートだけではなく、子どもの健やかな成長のためには地域との繋がりも大切にしていかなければいけません。
学校にしていたボランティア案内から、私は運よく児童養護施設への慰問について知ることができました。
そんな私とは違い、児童養護施設でボランティア活動したいけれど、まずどうすればいいのか分からない人もいるのではないでしょうか。
児童養護施設は全国各地にあり、各施設では随時行事の手伝いや子どもたちの学習指導など、様々なボランティアを募集しています。
児童養護施設でのボランティアに関心のある人は、お住いの地域の児童養護施設、または社会福祉協議会に問い合わせてみましょう。
■全国児童養護施設協議会 http://www.zenyokyo.gr.jp/
高校生の時にしたボランティア活動は、忘れられない体験になりました。