よく行くスーパーに知的障害者の作業所兼販売所があり、そこで販売されている手作りのお菓子や葉書などを購入させていただいたり、地域の遊びとして季節折々の飾りなどを作らせていただくことに参加したことがきっかけで、その知的障害者施設でボランティアをさせていただくことになりました。
知的障害者施設では、利用者が様々な作業をしています。
手漉き和紙を作り葉書にしたり、利用者が描いた絵を葉書や額に入れて販売したり、口に筆を加えて書道をしている作業をお手伝いしたり……。地域のバザーやフリーマーケットなどにも出店することもあり、お店に立って一緒に手作りの品物を売り出したりもしました。
障害のある人に対して、何か助けてあげようとか何かしてあげなくちゃという意識ではなく、作業や販売の先輩として、一緒に楽しみながら作業をするということを心がけていました。地域で、自分たちでモノを制作し、自分たちで売る、生活をするということを肌で感じることができました。
私たちもそうですが、調子のいいときや悪いときがあり、その落差が大きいこともありました。普段できることも、そのときはできなかったり時間がかかったり混乱することもあります。
そんなときは、無理に作業を進めることなく、気分転換をして散歩に行ったり、お話をすることもボランティアの活動の一つでした。スタッフに代わって1対1でゆっくりとお話しすることで、気分が落ち着き、穏やかに過ごせることに繋がります。
毎週1回市役所内のスペースを使わせていただき、手作りのパンやお菓子のほか、お皿や石鹸などを販売していました。
市役所を利用される方や職員の方が昼食としてパンを買っていただいたり、おやつとしてクッキーを買っていただいたりしました。
こういった販売活動などは、知的障害者施設や作業所の役割を地域の方に広く知っていただくことを目的としています。
知的障害者施設でのボランティアをするにあたって気を付けた点は、その方の障害のレベルにもよりますが、まずその方をよく知り、ありのままを受け入れ理解をするということです。
ボランティアは、その方が一人で行うには難しいことのサポートや多くの地域の方と触れ合うことで、コミュニケーションを図る機会を作ること。少しでも健常者と同じような生活を地域で送ることへのお手伝いであると思います。
コミュニケーションにおいては、はっきりと聞き取りやすい言葉と単語を使うこと、自然な笑顔でゆっくり接することを心がけました。さらに、言葉だけのコミュニケーションではなく、言葉を使わないコミュニケーションを多く用いて様々なシーンに対応できるコミュニケーションスキルが大切です。
社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員の資格を所有。
現場、相談現場など経験は10年超です。