母が認知症になり、いろんな方々のお世話になりながら介護を続けてきた中で、感じたことをお話ししたいと思います。
母は、私が嫁いだ後、昔ながらの団地に一人で暮らしていました。
友達も多く、習い事も詩吟、ヨガ、習字、フラワーアレンジメント等、日々忙しくしており、地域のボランティア活動もしていました。
多くの人と関わっていたおかげで、認知症を発症してからも周囲から「最近ちょっと行動がおかしいよ」「こんなところでおばちゃん見かけたけど大丈夫?」などと、いろんな情報を得ることができました。
元気だったころと変わらずに認知症の母を地域のボランテイアの会や食事会等に参加させるため、近所の方に迎えに来ていただいたり、私が連れて行ったりしていました。
長年住み慣れた場所で、なるべく親しい人たちと関わりながら暮らすのが母のためになると思ったからです。
けれど、認知症の症状が進むにつれて、それまでと変わらず親切にしてくださる人もいれば、ストレートに迷惑だとおっしゃる人もいました。
知っている親しい人であるからこそ、とても気を遣いましたし、精神的なストレスも感じました。
母の為だと思い、いろいろ行動していましたが、結果的には自分がストレスを感じる状況を作ってしまっていたのかもしれません。
そうした中で、ボランティア活動のお手伝いをしていただいていた地域包括センターの方に、「とりあえず、介護保険の申請をしておいたらどうですか?」とアドバイスしてもらいました。
その時、身内だけ行う介護には限界があること、やはり公的機関の利用が必要であることを初めて認識したのです。
それからケアマネージャーさんを紹介してもらい、様々な介護の提案をしていただきました。
一番助かったのはデイサービスの利用で、そこでお風呂にいれていただけるので、かなりの負担が軽減されました。
週2回の頻度で通い始めて、介護度が進むと週5回デイサービスを利用しました。
荷物を用意して母を送り出して、帰るころに出迎える……
自宅と実家を車で行ったり来たりの日々でしたが、それまでの重いストレスは全くなくなりました。
最初のころは不安そうにしていた母ですが、慣れてくるとデイサービスに行くのが楽しみになってきたようで、出かけるとき笑顔で手を振ってくれるのがなにより嬉しかったです。
現在は地域密着型特別養護老人ホームでお世話になっている母ですが、在宅で介護をしていた際、ケアマネージャーさんには、いろんな相談に乗っていただき、本当に心身ともにお世話になりました。
デイサービスのスタッフの方々は介護のプロですから、安心しておまかせすることができました。
介護サービスを受けるまでは、母のために自分がなんとか頑張ってやらなければと無理をしていたよう思います。
それが自分のストレスになり、周りの方々にも迷惑をかけていたのでしょう。
やはり介護は専門の方に相談し、できるだけお世話になるのが一番だと思います。
認知症の母の介護で、いろんな人のお世話になり、泣いたり笑ったりの日々を過ごしております。