介護というものは高齢者に対してだけではありません。障害者に対しても、ある程度の介護が必要な場合もあります。方足のない私の母との生活を紹介します。
母は60歳になります。7年前に糖尿病が悪化し、53歳で右足をひざ下から切断しました。
現在は義足の生活になり、透析も受けているので障害者1級です。
切断当初は体も弱り、おそらく車椅子生活になるだろうと主治医の先生から言われました。
これを機に、シングルマザーで息子と二人暮らしだった我が家に母がやってきました。 母は私たちと一緒に住むためにリハビリを頑張り、義足で歩けるようになりました。 大きな田舎の家と違い、小さなマンションで部屋からの移動も少ないため車椅子は使用していません。現在も1日おきに透析に通っています。
団地に息子と二人暮らしでしたが、小学校近くのマンション1階に引っ越ししました。透析に通う病院にも近く、段差のないフラットな造りの1階です。
トイレに近い部屋を母の部屋にして、エアコンとベッド、テレビやローチェアなどを購入し快適に過ごせるよう準備しました。
トイレはやはり失敗することが多く毎日の掃除が大変でした。玄関を開ければ失敗したと匂いで分かります。仕事から帰ったらまずトイレ掃除が私の日課になりました。分かっていてもやっぱり文句が言いたくなるので、自分の負担軽減のためにもトイレをウォシュレットに変え、母の体が綺麗に保てるよう工夫しました。
お風呂とトイレができなくなったら病院だよと、今後についてはすでに話をしています。冷たい娘のようですが、しっかりラインを引くことも母の目標設定となり、毎日のトレーニングにつながっています。
また、いろいろ失敗する母に代わり、5年生の息子は文句を言いながらもトイレを綺麗にしたり、薬局まで母の薬を取りにいったり、ご飯を炊いてくれたりと、思いやりのある子供に成長しました。私より息子のほうが母との生活に柔軟に対応しています。
障害者の母との暮らしは不便なこともありますが、健康の大切さや息子や周りの方の優しさを知ることが出来て、悪いことだけではなかったかなと、今では思います。
今後、母の体が動かなくなってきたらまた家族会議をします。
いろんなことを話し合い、お互いが負担なくずっと家族でいられるように、しっかり考えていきたいと思います。
義足の母と同居して6年!息子も協力してくれ、工夫して生活しています。