わたしは将来ヘルパー(ケアワーカー)として働きたいという目標があります。
うつ病のために入院・通院し、病院で職員がケアワーカーとして働く姿を見て、わたしもそのようになりたいと思うようになりました。患者としてケアワーカーがどんな存在だったのか、何がそう思わせてくれたのかをお話しします。
わたしが入院していた病院には、医師、看護師、作業療法士、臨床心理士、精神保健福祉士、ケアワーカー(この病院でのヘルパー業種名)という多くの専門職の方がいました。
その中で、ケアワーカーのAさんは、毎朝ベッド周りのお掃除に来ます。備え付けの家具や棚を拭いて、ゴミ箱の中身を回収します。週1回はシーツと枕カバーの交換、足腰の弱い人には歩行や入浴の介助、ナースコールへの駆付け(看護業務以外)、レクリエーションの進行、食事をどれだけ食べたかチェックする、泣いているときには側にいて話を聞いてくれるなど、仕事の内容は様々です。
お薬を出したり、採血するのは医師や看護師さんしかできません。でも、医療行為以外なら何でも対応していました。通院中はショートケアのスタッフとしても、部屋の掃除をしたり、その日のプログラムの準備・片付けもやっていました。
わたしは体力がかなり落ちていました。そのため、その体力を取り戻すのに時間がかかって、入院期間が1年を超えてしまいました。
入院期間が長かったからこそ、感じたこともあります。看護師さんとケアワーカーの仕事内容はとてもよく似ています。上記で紹介したケアワーカーの仕事内容は、看護師さんも行います。違いは医療行為ができるかどうかだけだと思います。
でも、看護師さんさえいれば、すべて解決できるわけではないのです。医師や看護師さんはとても忙しいので、ナースステーションにはいないこともありました。何か用事があるとき、話を聞いてほしいときなど、ケアワーカーさんの存在は大きなものでした。
忙しい看護師さんは、ナースコールしてもどうしても来れないときもあります。そんなときは代わりにAさんが来てくれます。看護師さんに長くいてもらうことはできなくても、Aさんは椅子に座って落ち着くまで側にいてくれます。特別なことではなくても、たくさんの話をしました。
Aさんは、患者さんからも看護師さんからも皆から頼られる存在でした。退院後、わたしは週1回のショートケアに通い、同じような病気の治療中のメンバーと、Aさんを含むスタッフと一緒に過ごしました。
2年後には転居の予定が決まっていました。ショートケアに通い始めてから1年半後、毎日の生活にも少し余裕ができて、「引っ越す前に何かやってみようかな」と思い始めました。
でも、転居の予定があるから中途半端な時期までしか通えないし、それまでにできることをしておきたいと考えたところ、ヘルパー2級の講座を思いつきました。
後編へ続く……
愛知県在住の女性です。
うつ病を学生の時に発症し、療養生活を続けています。
今は働けるようになりたいので、少しずつステップアップしています。