私は、38歳の主婦です。母方の祖父母のことについてお話したいと思います。そんな私が、母の介護をすることになったのです。
祖父が60代で大病をし、半身麻痺になり、祖母は祖父の看病を続けてきました。ところが、そんな祖母に癌が見つかり、入院して手術を受けました。そして、やっと落ち着いてきたと思った矢先、母の認知症の症状が進んできて、自宅に二人では暮らせない状況となりました。
せっかく自宅をバリアフリーにし、住みやすく整えたばかりでした。
祖父は身体が動かないものの、意識はしっかりとしていましたので、何十年と暮らしてきた自宅を離れるのは辛そうでした。
いきなり施設に…というのは抵抗があり、私たち家族は在宅介護という方法を選びました。しかし、しばらくの間離れて暮らしており、たまに顔を合わせる程度だった家族が一つ屋根の下に暮らすというのはとても難しいものでした。
身体が思うように動かない祖父母を24時間体制で介護する必要があったため、生活のリズムがガラッと変わりました。家族総出で協力しあい、介護と向き合いました。
家族で協力して介護していたものの、介護する側もされる側もお互いにどんどんストレスが溜まっていき、このままではダメになってしまうと感じました。
そのため、祖父母を交え親戚達との話し合いをしました。その結果、施設に入所したほうが良いということになり、夫婦揃って同室に入居できる施設への入居が決まったのです。
介護をやり遂げることが出来なかったという無念さや、寂しさもありましたが、最善の介護をしてあげたいという思いは祖父母に伝わったように思います。
施設では、毎日の介助も勿論ですが、毎月の行事があったり、様々な催しがとても刺激になるようです。祖母は、同じく入所されている方達との交流が何よりも楽しそうです。
祖父は利き手が麻痺で動きませんでしたが、もう片方の手に筆を持つようになりました。
家族で看ていた頃とは全く違う、輝いた顔をもう一度見ることができました。
介護は家族で行うものという、まだまだ閉鎖的な考えもありますが、勇気を出して一歩踏み出し、サポートを求めることで、社会の沢山の方々と触れ合うことができ、介護される高齢者やその家族が救われます。今、私の祖父母はとてもありがたい環境にいるんだと感謝しております。
施設に入所してから、祖父母に笑顔がよみがえりました!