学生時代、児童養護施設で働いていた友人の紹介で、ボランティアをすることになりました。
夏祭りやクリスマス会、餅つき大会など地域参加のイベントが多く行われているので、そのお手伝いと、毎日の宿題を一緒にしたり、宿題を終えたら一緒に遊ぶ……というものでした。
児童養護施設のスタッフの数に対し、子供の数が多く、一人ひとりに目を配り細かいケアを行うことが難しいと聞きました。そのため、小学生の宿題は中学生が、中学生の宿題は高校生がみることが通常で、私はその中に入り一緒に勉強しました。
漢字の書き取りがちゃんとできているか、宿題は進んでいるかなど、家庭で子供に対して行うようなことをしていました。
そのほか、小学生に対しては、翌日の持ち物を一緒に選び、忘れ物がないように確認しました。
なかなか宿題に取り組まない子もいるので「ちゃんと宿題をしようね」と声をかけたり、宿題をせずに遊びに行く子に説明することもありました。
私がボランティアで行った児童養護施設には、公園のように遊具を揃えたスペースがあり、宿題を終えた多くの子供達はここで遊びます。
みんなでドッジボールやバスケットボールをしたり、全員でかくれんぼをしたり、大人数ならではの遊びを楽しみます。
高校生のお兄ちゃん、お姉ちゃん達も一緒に遊びますが、どちらかというと内緒の相談が多かったです。私が大学生ということもあり、気軽に相談できたようです。
恋愛の相談や、部活の相談、進路の相談など家庭の子供達以上に悩んでいる子たちは多くいました。
地域に開かれた施設として、季節のイベントは多くありました。夏祭りでは、たこ焼きや綿あめなどの屋台のお手伝いや、盆踊りのやぐらを一緒に組み立てたり……。
冬の餅つき大会は地域の婦人会の方が協力していただき、みんなでついた出来立てのお餅を食べ楽しみました。
児童養護施設のボランティアで気を付けたことは、子供たちを特別な目で見ないことです。
入所している子供達の多くは、家庭の複雑な事情で入所しています。
卑屈になったり、大人の気を引くためにいたずらを繰り返したり、心の不満をぶつける場所がなく暴れたりすることも子もいました。
優しく抱きしめ思いを受容し、時には「いけないことはいけない」と厳しく怒ることもありました。
ありのままの子供たちを受け入れ、私自身も自然体で接することを心がけました。
関心がある方は、ぜひ地域の児童養護施設へお問合せしてみてください。
現在、高齢者介護施設にて介護福祉士として勤務しています。