我が家の長男は、3歳の時に「小児自閉症」と診断されました。1歳6ヶ月健診で指さしがない事と言葉の遅れを指摘され、思い返せば、赤ちゃんの時から抱っこを嫌ったり寝なかったりと、その兆候はたくさんありました。診断が下りた時にはショックだったような、ほっとしたような、とても複雑な気持ちだった事を覚えています。
現在6歳の長男ですが、毎日山あり谷あり。今回はそんな長男の育児で辛かった事・嬉しかった事のお話をしたいと思います。
療育を始めるまでの長男は、何に対しても興味関心が薄く、おもちゃなどで遊ぶこともあまりなく、ぼーっとしている事が多かったです。話しかけたりしてみても反応が鈍く大したコミュニケーションも取れずにいて、「私は母親なのに、この子の好きな物も嫌いな物も何にもわからない」と、自分が親として失格のようにも感じ、とても辛かったです。
長男は聴覚過敏の為人が集まる賑やかな所が苦手で、多動が起きたり突然大きい声で奇声を上げたりしてしまいます。そういった状態でしたので人目も気になってしまい、児童館に遊びに連れていく事や買い物をする事も難しく、毎日どう過ごそうか苦悩しストレスもたまりました。
また、長男は場面緘黙(かんもく)という特性もあり、外出した時はどんなに嫌な事があっても話せずニコニコしていましたが、家に帰るとそのストレスが爆発し、パニックを起こす事もありました。激しく泣き叫びながら、叩いたり蹴ったり……痛みももちろん辛かったのですが、長男の心の叫びだと思うと本当に切なくて辛かったです。
そんな長男も療育と幼稚園に通うようになり、徐々に問題行動が減り表情も明るくなりました。最近では自分の意思をぎこちなくも伝えてくれるようになり、長男本人のストレスもかなり軽減されているようです。パニックも全く起こさなくなりました。
他児と関わることで遊びや活動の幅も広がり、ぼーっとする事なく時間を過ごす事ができるようになりました。また、長男から「今日はね、○くんと遊んだんだよ」「なわとびできて、先生もほめてくれたよ」などいろんな話をしてくれるようになり、辛かったあの頃に比べると本当に成長を感じ、まるで夢のように嬉しい毎日です。
長男がここまで成長できたのは、なんといっても周りの方々の理解のおかげだと思っています。特に幼稚園では障がい児を受け入れた前例がないにもかかわらず、先生方が発達障がいに関する理解を深めて下さり、日頃の園生活の中でたくさんの配慮をして下さっているおかげで、楽しく通園することができています。また、保護者の皆様にも理解を頂き暖かく見守って頂いている事、お友達が長男の事を大好きと言ってくれる事が本当に嬉しく、私の励みになっています。感謝の気持ちでいっぱいです。
毎日ポジティブに頑張っています。