働きすぎなのは気づいていましたが、うつ病になった時は、まさか自分が?という思いでした。過労で発病から療養中のこと、回復に向かうまでの体験を紹介します。
私がうつ病になったのは、2015年の3月です。転職した会社で、社内での評価がどんどん上がっていき、気がつくと大きなプロジェクトをいくつもかかえるようになっていました。いつの間にか、深夜1時ぐらいまでの残業が日常的になり、遅い時は3時まで。タクシーで帰宅し、また7時に自宅からタクシーで出勤。休みも月に2日あればいいほうで、そんな日でも家に仕事を持ち帰る、そんなことが自分にとっての「普通」になっていました。
おかしいと気づき始めたのは、休職の1ヶ月ほど前です。急に何もかもを悲観的に考えるようになり、仕事でも失敗が増えてきました。失敗したことを延々と引きずって集中ができず、それが原因でまた失敗する悪循環にはまっていき、些細なことで涙が止まらないことが増えていきました。 そのうちに、寝る時に強烈な不安感に襲われたり、朝に目が覚めても起き上がることが出来なかったり、服選びや化粧がひどく億劫なものに感じてできなくなっていきました。
「死にたい」と思うようになってきたので、これはまずいと思い、精神科で診てもらったところ、過労からのうつ病でした。上司と相談し、翌日から休職することに……。仕事を放り出して周囲に迷惑をかけてしまった罪悪感で、来る日も来る日も泣いて過ごしました。最初の1ヶ月はとにかくたくさん寝ました。脳の中が熱くて、ぼーっとして、寝ることしかできない感じでした。この頃は、文字を読むこと、人の話を理解すること、音楽を聴くことが困難でした。
徐々に、体が動くようになりましたが、相変わらず、罪悪感が消えずに、散歩をしていても、仕事のことを考えて、動悸がして呼吸が苦しくなっていました。スマホやパソコンに触れると、うつ病や抗うつ剤についてばかり調べてしまい、余計に不安感を募らせていました。
更に1ヶ月ほど経った頃、自然と本が読みたくなりました。仕事とは全く関係のない、ファンタジーや、スポーツものなどの軽いお話から読み始めると、読書力はどんどん回復していきました。同時に、本の中の登場人物に共感したり、愛着を持ったりと、久しぶりに感情が動くのを感じました。
自分が急激に回復したのは、5ヶ月経った頃です。うつ病になってしまった過労の原因が、仕事依存症にあり、その原因として、“愛着障害”があるのではということにカウンセリングを通して気づきました。幼少期の寂しさを解消できないまま、それを埋めるために仕事に夢中になっていた原因が分かったことで、自分の考え方の癖や今後取るべき行動などが一気に理解でき、劇的に回復しました。
その後、余裕を持って十分な休息と復職に向けた準備期間を取り、秋から職場復帰の予定です。もう二度とうつ病にならないためにも、無理をしないで自分の心と体を大切にすることを肝に銘じて職場に戻りたいと思います。
30代女性。転職を機に、過労でうつ病を発症。精神科に通いながら、半年に渡る休職期間を経て、今秋から職場へ復帰予定。