手話は聴覚障害者にとって重要なコミュニケーション手段であり、覚えることでより多くの人と触れ合えます。
障害者や介護に関わる仕事に活かすことができ、活動の幅は大きく広がります。
手話には複数の資格があり、取得することで障害者福祉の分野で有利に就職活動を行うことができるようになります。
ですから、障害者福祉の分野で働きたいと考えている人は、自分の『武器』となるように手話を学ぶのもいいでしょう。
公的機関でも手話のできる人材を募集することがあり、公務員として働けるチャンスが増えることにもつながります。
仕事に活かすことができるだけではなく、手話は自分磨きの一環としても役立てられます。
手話には大きく分けると、二つの資格があります。
一つ目は手話技能検定です。
2001年に導入された比較的新しい手話の資格で、初心者でも受験しやすい仕組みになっているのが大きな特徴です。
これまで手話の資格は内容が難しく、初めての人が挑戦しにくい状況にありましが、1級から7級までと幅広い階級にしたことで、初心者でも挑戦しやすいようになっています。
5級から7級は初心者向けとなっており、初めての人でも挑戦することができます。
7級は在宅試験になっているので、自分の好きな時にいつでも受験することができます。
専門学校などに通わなくても取得は十分可能で、独学で取得したという人はたくさんいます。
階級には難易度をあらわす目安があり、3級と4級は窓口などでの対応が可能なレベル、2級や准2級は専門的な分野の会話が出来るレベルとなっています。
1級や准1級ともなれば、聴覚障害者と同等の技術があると認定され、インストラクターや通訳として働くことも可能です。
また、準1級・準2級~7級は筆記試験のみ、1級・2級は実技試験のみになっています。
難しい階級に挑戦する場合は、独学だけではなく、スクールに通いながら勉強していく中で必要な知識や技術を身につけていくのがいいでしょう。
手話の資格の二つ目は、手話通訳士という資格です。
名前の通り、通訳を行なうことが目的となるため、資格取得の難易度は高めです。
技術はもちろんのこと、高い国語力が求められるうえ、正確で公正な通訳が出来ることが合格の条件となります。
手話通訳士の試験の合格者は公共施設や自治体、障害者福祉を行なう民間企業など幅広く活躍しており、資格を持っていれば大きなキャリアアップにつながります。
試験では学科試験と実技試験が行なわれます。
手話通訳士の資格試験は難易度が高く、実務経験が3年以上ある人でも合格は難しいとされています。
取得するためには2年程度スクールに通い、勉強するのが一般的な方法です。
手話通訳士は職業として幅広く定着しているとはいえない状況ですが、障害者の社会進出が進むにつれて活躍の場は広がっていくことが予想されます。
2003年度には政府が新障害者プランを発表するなど、政治的にも障害者の社会進出が推進されています。
資格を取得して活躍の場所を広げてみてはいかがでしょうか。
手話通訳士の資格はスクールに通わなければ取得は難しいと思いますが、手話技能検定なら独学でも合格することができるでしょう。
手話技能検定の場合、5級から7級は初心者向けとされていますが、少し手話を学んだ経験があれば3級までなら充分独学で合格を狙えるのではないでしょうか。
市販のテキストやDVDなどを使って学ぶ人が多いです。
また手話技能検定は実施団体のサイトで『試験範囲集』をダウンロードすることができますから、それを入手して自分が受験する級の単語や例文を覚えることをお勧めします。
そのほかのテキストについては、公式ガイド&過去問題集や公式テキストなどがいいでしょう。
テキストだけはなく、DVDも利用すると、より実践的な手話を身につけることができます。
DVDに収録されている手話の動作を何度も繰り返し真似ることで、自然と習得できるはずです。
ある程度学んだ後で、可能であればサークルなどに参加して、聴覚障害者と直接コミュニケーションしましょう。
そうすることで、手話の知識・技術が磨かれていきます。
私自身もこれから独学で手話を学び、ゆくゆくは資格取得にも挑戦したいと考えています。
初心者が取得する手話の資格として、手話技能検定がお勧めの理由は、自分のレベルを確認しながら着実にスキルアップできるからです。
手話通訳士と違い、手話技能検定は就職や転職向けの資格ではないため、資格を持っているからといって、すぐそれが仕事に結びつくわけではありません。
とはいえ、ホテルやデパートなどのサービス業や介護職などの福祉関連業界では、手話ができる人の需要が少しずつ高まってきています。
現在働いている職場やこれから就職・転職を希望する場合に、手話の資格を持っていることで自らの知識や技術をアピールすることができるでしょう。
手話通訳士とは別に、手話奉仕員として活動している人もいます。
各市町村には多くの場合、手話奉仕員が設置されています。
この手話奉仕員というのは、手話を習得していて地域に住む聴覚障害者との会話ができ、聴覚障害者団体の行事や手話サークル活動への参加などをします。
手話奉仕員として活動するためには、市町村が実施している手話奉仕員の養成講座を修了しなければなりません。
手話奉仕員の養成講座には入門課程と基礎課程があり、基礎課程を修了した人は市町村に手話奉仕員として登録されることになります。
登録にあたっては、試験合格を条件としているところもあれば、自己申請で登録できるところもあるなど市町村によって様々です。
手話初心者には手話通訳士に比べて、手話奉仕員のほうが目指しやすいと言えるでしょう。
さらには、手話通訳士とも手話奉仕員とも異なる手話通訳者も存在します。
手話通訳者は、各都道府県に設置されています。
手話通訳者として活動するためには、都道府県認定の民間機関によって実施される手話通訳者全国統一試験に合格する必要があります。
この試験に合格後、都道府県による独自の審査を通過した人が『自治体登録の手話通訳者』として認められます。
自治体登録の手話通訳者は手話奉仕員よりも上級者向けですが、ガイドラインが統一されているわけではなく、各自治体が独自制度を設けている場合もありますから、各自治体にあらかじめよく確認したうえで受験するようにしましょう。
各都道府県の手話通訳者として活動している人は、手話通訳士など手話に関係する他の資格を持っていないことも少なくありません。
手話通訳者だからといって、必ずしも手話通訳士の資格を持っていなくてもいいのです。
ですが、手話通訳者よりもレベルが高いとされる厚生労働省認定の手話通訳士の資格を取ることで、さらに活動の幅を広げることができるでしょう。
すでに手話通訳者の資格を持っていることで、数年の実務経験のみで無資格の場合よりも幾分受験もしやすくなるはずです。
自治体の手話通訳者として活動している人は、ステップアップする意味で手話通訳士を目指してみるのもいいでしょう。
実際、自治体登録の手話通訳者として活躍している中で、手話通訳士を目指そうと考える人もいます。
初心者ですが、手話の資格を取ろうと考えています。