父が脳梗塞で倒れ、半身不随と言語障害の後遺症により社会復帰が不可能になり、母も若年性アルツハイマーで精神科に入院し、生活保護を受給することになりました。
両親共に、お金の管理ができない為、現在は娘の私が生活保護の管理をしています。
数年前、母は入院中に転倒して骨を折り、整形外科の手術ができる病院に転院し手術を受けることになりました。転院先候補の病院を精神科のケアマネージャーに紹介してもらったのですが、「精神科患者は入院時に4人部屋ではなく個室に入らなくてはいけない」と言われ、ベッド差額代が発生することを知らされました。
入院時の個室ベッド差額代は一日数千円で、入院が長引けばとても大きな金額になってしまい、生活保護費では賄いきれません……。どうすればいいか分からなかったので、役所の生活保護担当者にそのことを相談しました。すると、「精神科患者が他の病院に入院する時に個室に入らないといけないという決まりは無いので病院に言って下さい。ベッド差額代は生活保護費として出ないので。」その回答が……。病院側と役所側、全く反対の内容です。
仕方なく再度、精神科のケアマネージャーに相談したところ「差額代はご家族の方に負担してもらうしかない。でなければ自然治癒を待つしかない」と言うのです。母は激痛に耐え、治療を待っているというのに自然治癒など待てる訳がありません。そもそも病気で経済力を失い、家族や親族の援助も受けられないから生活保護を受けているのに。しかも、精神疾患という弱者で色々な助けが必要なのに。
生活保護受給者で精神疾患の母の怪我を治療する為には、自分が負担をして治療させてあげるしかない……そんな現実を突きつけられた瞬間でした。
私の父は脳梗塞になり、リハビリテーション病院に入院していた際、私の住んでいるところとは違う県に住んでおり、その県の住民登録がある自治体から生活保護を受けていました。その為、用事のたびに2時間程かけて父の住む自治体の役所に行く必要があったので、退院後は自分の家の近くの施設に移そうと考えていました。
しかし、現実はそう簡単にはいかず、役所の担当者に相談すると、「生活保護費は住民登録がある自治体から出ています。引っ越すとなれば、お金を出す自治体も変わります。なので、お金がかかる生活保護者を受け入れてくれる自治体は、余程の条件が無い限り無いです。」と言われました。
近くなればもっと自分達が出来ることも増えるのに、同じ日本に住んでいるのに「自治体」の違いということだけで引っ越し出来ないなんて……。役所の人の言い分も分かりますが、何か間違っているように思えて仕方ありませんでした。
上の2つの出来事を経験して私が感じたことは、今の生活保護法は欠陥だらけだということです。世間でよく耳にする不正受給等の事件もそうです。本当に助けが必要な人が助かっていない現状があります。それに、生活保護者は年々増加しており、何らかの方法で生活保護というものを抜本的に見直す必要があるのではないでしょうか。
29歳、専業主婦。6歳の息子と主人とわんこと暮らす。