一緒に暮らしていた孫が独立した後、祖母は初めての一人暮らしを始めました。一人暮らしを始めた祖母が、どのように生活をしているのかを書いていこうと思います。
祖母は若くして結婚をしたので、人生の中で一人暮らしをした経験がありませんでした。90歳を目の前にして一人暮らしをさせる事には、周囲も不安がありましたが、このまま孫との生活をしていけば生活保護を継続していくことが出来なくなる。更に高校を卒業したばかりの孫に、祖母を養えるだけの収入は得られないと判断し、祖母自身も周囲も一人暮らしを選択しました。
寂しくないのか、夜中に倒れたりしないか…と心配したのがバカバカしいほど、祖母は一人暮らしの自由を楽しんでいました。朝起きて洗濯をし、ちょっと早いお昼ご飯を食べてから、駅前のショッピングセンターに毎日行きます。と、言っても買い物に行くのではありません。ショッピングセンターのフードコートに高齢者の人達(主におばあちゃん)が4~6人集まり、持参したペットボトルのお茶を持ち込んで井戸端会議をするのです。 それが祖母の唯一の楽しみでした。
そんな祖母の調子が悪くなったのは、90歳を過ぎた夏の頃。突然、血圧が低下して意識を失い病院へ運ばれました。初めは熱中症かと思いましたが、実は高齢による機能低下のために起こった貧血でした。
日常生活的には何も問題はなかったのですが、突然の出来事に祖母は気弱になってしまいました。一人暮らしで何かあったらどうしようと……。 これをきっかけに、祖母は初めて介護サービスを利用することになりました。週3回はデイサービスに行き、週2回は訪問ヘルパーさんをお願いしました。そして、室内で転倒しないための手すりをつけました。
この手すりに至っては生活保護を受けている為に、申請から設置完了まで3ヶ月もかかってしまいました。福祉の許可→生活保護(役所)の許可→生活保護(役所)からの入金確認の全てが終わらないと器具の設置工事が始まらないからです。正直、手すりを付けるのに3ヶ月もかかるなんて面倒だなぁ~と思いました。
しかし、こうして祖母の介護生活が始まりました。
今、祖母はデイサービスに通い、ヘルパーさん達に助けられながら毎日を楽しく過ごしています。そして週1度、子供、孫、ひ孫が集まって夕食会を開きます。
生活保護を受けるために一人暮らしを選択しなければいけなかった祖母ですが、心は一人きりにならないように、デイサービスのスタッフさんや訪問のヘルパーさん、周囲の家族……みんなで祖母をサポートしています。
私は、記事内に出てくる祖母の初めての孫。もうすぐ50歳に手が届こうとしています。現在、母と一緒に祖母の手助けをしています。