私は4年ほど前に脳梗塞を発症し、片麻痺の後遺症があります。
介護保険や医療保険を使用してのリハビリを今なお続けております。
三カ月に一度、都内の大病院のリハビリの専門外来に出掛けているのですが、 その際にトイレで苦労した、やや怒りの体験をご報告いたします。
私は、家でも戸外でも麻痺側の左脚にSHB(短下肢装具)を装着しています。
外出時は杖を右手に持ちます。
私が行く病院は、名前を出せば関東の人ならほぼ100%の人が聞いたことのある大病院で、 外来はいつも大勢の患者で混雑しています。
その日も、朝10時過ぎの自動受付機には長蛇の列。
機械はスイスイと診察券を吸い込んでは受付票をプリントし、ほどなく目的の診療科の待合室へ。
20分ほど待って、診察の順番が来ました。
診察を終え会計に行ったとき、時計はちょうど正午になろうかという頃でした。
私は、この分なら、隣町で友人との食事をする13時の約束に間に合うとホッとしていました。
午前のすべての科の診療が一斉に終了し、外来患者が堰を切ったように会計カウンターに押し寄せ、長蛇の列に。
私も列に加わりましたが、会計は一人ずつ手渡しのため、まさに牛歩です。
単純な受付とは異なり、細かなチェックが必要な会計は、まだ自動化できないようです。
ようやくファイルを渡し、長椅子に腰を下ろした時は12:30になろうとしていました。
私の番号が表示されるまで、かなり時間がかかることも予想されました。
そこで私は、この待ち時間を利用して、トイレを済ませておこうと思いました。
このフロアのトイレの位置は頭に入っていたので、 4ヶ所のトイレの中でも一番広い多目的トイレのある場所へと向かいました。
ところが、そこは塞がっていて、隣の洋式トイレも使用中でした。
2ヶ所目へ移動しましたが、ここも3つある洋式トイレはすべて使用中でした。
会計に患者が集中しているように、トイレにも外来を終えた患者が集中していたのです。
私はいったん会計掲示板を見に戻り、出直すことにしました。
掲示板前に戻って確認しましたが、私の番号はまだありませんでした。
待ち合わせしている友人に遅れることをメールし、3ヶ所目のトイレへと向かいましたが、個室はすべて塞がっていました。
私はまだ回ってない4箇所目のトイレに向かったものの、ダメでした。
私は小用でトイレに来ているので、小便器(朝顔)でも可能は可能なのですが、 病気をしてからは、小用でも洋式トイレで済ませることが習慣になっています。
私は逆に回り直すことにしました。3ヶ所目、2ヶ所目ともまだ塞がったままでした。
そして最初のトイレに戻ると、個室のドアが1つ空いてましたが、空いている理由を知り愕然としました。
なんと、そこは和式だったのです。
今まで何度もその場所のトイレに入っていましたが、和式トイレには気づきませんでした。
その病院には入院経験もあるのですが、病棟のフロアにも和式トイレはありません。
だから、そのフロアに4つの和式トイレがあることに驚くと同時に、半分怒りにも似た疑問が湧いてきました。
「絶対バリアフリーであるべき病院。そのトイレにわざわざ和式を残しているのはなぜだ?」
人によっては、洋式より和式の方が合うという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、身体に障害を抱えた方が和式トイレを利用する話は聞いたことがありません。
障害のある方も多く来る病院なら、まず障害者の立場でトイレも含めた設備を考えるべきだと強く思いました。
私はその和式トイレはあきやめて、また会計に戻り、出直すことに。
私の会計番号が表示されるのを待って、自動会計機で支払いを済ませました。
このフロアをまたグルグル回って空きを探すより、階上のフロアのトイレに行く方を選びました。
時計はまもなく13時になろうとしていました。
エレベーターで上階に行き、洋式の空きを確認。
無事用をたすことができました。
電車で行く予定を変更、病院玄関からタクシーに乗りました。
タクシーの車内でポケットの万歩計を見ると、 歩数は6,000をこえており、院内だけで3,000歩ほど歩いたことになっていました。
トイレを巡ることが結構な運動になり、お腹も減って友人との昼食を美味しくいただくことができました。
4年半ほど前に脳梗塞を発症し、左片麻痺でリハビリ中。
アラカン59歳のオヤジです。