統合失調症になったことを悔しがっているばかりの私でしたが、病気との付き合い方を変えることで症状が緩和されました。
私は統合失調症の他に、強迫性障害と双極性障害を持っています。強迫性障害と双極性障害の2つに関しては、10代半ばから症状が出始めました。原因も、母親との関係だとハッキリしています。しかし、統合失調症は20代半ばから出始めました。原因は不明です。
発症してから私は「なんで統合失調症になったのか」ばかりを考えていました。生活に支障が出て、仕事も満足にできなくなり悔しかったからです。そして、原因さえ解ればそれを解決して、治せるものだと思い込んでいたのです。
ところが、長年病気と闘っているうちに、「原因」とか「治す」とかより、今現在どうやって付き合って行くかの方が大切だと気づくようになりました。
統合失調症を発症してから、私に現れた症状は次のようなものです。
頭頂部から背中にかけて、黒光りしたネットリとしたタールがこびりついているイメージが頭から離れませんでした。また、一人暮らしなのに「私の部屋には盗聴器が仕掛けられている」と思い込み、気軽に電話で会話ができないなどと怯えていました。そして、窓から作業着を着た男性が包丁を持って入ってきたとき、殺されて遺体をみられても恥ずかしくないように、古い下着を身に着けないようにまでしていました。
どこにもいないのに赤ちゃんの泣き声が聞こえるところからはじまりました。一番困ったことは、寝ている耳元で男性に大声で罵倒される幻聴に襲われたことです。
これは「概念形成の低下」という症状の一種です。私の場合は、大事な書類を残飯まみれにしたり、魚の骨を大事にしまっていたりしました。大切なものと捨てるべき物の判別ができなかったのです。
統合失調症の治療は、主に投薬です。当初は、副作用でボーッとしたり呂律が回らなかったり、何より記憶力が大幅になくなりました。
しかし、「今は付き合っていく」と考えが変ってからは、困ったときにはプライドを捨ててSOSを出したり、動けないときでも自分を責めたりしなくなりました。それが自然に出来るようになったころには、薬の量もかなり減らすことができたのです。統合失調症を発症して、SOSを出したり自分を責めないことが大切だと学ぶことができました。
統合失調症と強迫性障害と双極性障害を患っておりますが、40歳の時に電子書籍刊行にてエッセイストデビューしました。私みたいな人が生きやすくなるような方法を発信できるエッセイストになっていきたいと思います。