私は6年前この「うつ病」という名の病気と出会ました。 私がうつ病を経験しどのような思いで今日に至ったのかをお話します。
私がこの病気を発症したキッカケは、長年住み慣れた環境を離れたことが大きなキッカケでした。当時、好奇心が人一倍旺盛で、何事にも前向きでやってみたいことや手に入れたい物は必ず手にしていました。そんな中、私は地方の大学へ進学することを決断し、楽しみと期待を胸に住み慣れた町を離れることになりました。しかし私を待っていたのは、想像とは真逆の生活でした。
初めのうちは何だか身体が毎日だるく、布団からなかなか出ることが出来ませんでした。一日中やる気がなく、何かに魂を吸い取られたかのような感じがして何も考えられず、何も行動できない状態に……。人前では笑顔を見せ、空元気で毎日を送っていましたが、こんな事が長く続くはずもなく、私は大学を休みがちになりました。
この頃から症状はみるみる悪化していきました。誰とも話たくない、顔すら会わせたくない、私に構わないで……そんな気持ちが、私を支配していました。同時に自分の価値を考えるようになっていました。「私は誰かに必要とされているのか?」そんなことばかり考えていました。そして最終たどり着いた考えは、「生きている意味はあるのか」と。
このように考えることが次第に多くなっていきました。すると、勝手に身体がベランダへ向かっていたり、気づけばハサミを手にしていました。この瞬間私は普通ではないと怖くなり、心療内科へ受診することを決めました。
初めて心療内科を受診して以来、今も私は薬を飲んでいます。最初は薬に抵抗があった為、医師の診断なしに薬を止めてしまうこともありました。しかしその度、症状は悪化しました。そう気づいたときから処方された薬を指示通り服用することを決めました。そうすると症状は少しずつ改善に向かいました。今ではほとんど薬は必要なくなっています。
薬の服用と同時に、自己啓発本もよく読んでいました。このことが今になって自分の為になるとは思ってもいませんでした。今現在私は自分の経験を生かし、同じ症状に悩む方のために生きていきたいと思っています。辛く孤独な思いをしている方を一人でも助けたいと思うまでに回復することができました。これも本のお陰です。あの時本を読むことをしていなければ、私はまだ自分自身に迷っていたかもしれません。
うつ病の方はなかなか行動することが難しいと考えてしまいますが、完璧に何かをしないといけないという固定概念は捨てて下さい。1日5分でも良いのです。なにかに没頭出来る時間を作ってみて下さい。そして、何か出来たことに対して必ず自分を褒めてあげてください。この積み重ねで少しずつ「自分」を取り戻していって欲しいと思います。
毎日が平和に過ごせますように。